二年次編入について
普通の大学は編入の年次が三年次ですが,一部の大学は二年次編入となっています.私が編入した大学も来年度入学の編入から受け入れ年次が三回生から二回生に変わります.つまり,卒業まで最短でも三年間かかるようになってしまいます.これについて少し考えてみます.
二年次編入のメリット・デメリット
メリット
二年次編入になることで大きなメリットは,大学で専門科目に限らず一般教養の科目についても十分に勉強することが出来るだけの余裕が持てるという点があると思います.私自身は三年次編入で認定単位*1も少なかったので編入後一年間は単位を取得するのに翻弄されてしまい,きちんと勉強することができず,悩んだことがありました.
また,編入後は四年か三年後期から研究室へ配属されることになると思いますが,大抵の大学では成績順で配属先が決まりますので,成績が良くないと希望の研究室に配属されないということもあって,単位をかなり多くとらなければ行けない編入生は不利になる*2と思います.
しかし,二年次編入ならば以上の問題が解決されると思います.
デメリット
二年次編入になることのデメリットはもちろん卒業までに最短でも三年間はかかるようになることです.国立大学の学費は年間授業料535,800円と,高専(年間授業料234,600円)の倍以上ですし,生活費などのことも考えるとかなりの金額になります.
大学院進学を目指している場合に,高専の専攻科とどちらが良いか
研究職や開発職,あるいは技術職などを志望している場合に,大学院の修士,あるいは博士への進学を希望している人も多いと思います.そういった人の場合に考えられるメリット,デメリットを考えてみます.
二年次編入してその大学の大学院を目指す場合
編入した場合のメリットとして,早くから大学の研究室で研究できるというメリットがあります.ただし,二年次編入でかつ,研究室配属が四年春の場合は,専攻科へ進学した場合と同じになるのでメリットにはなりません.他にメリットとしては,大学院の院試が楽になる*3,(成績が良ければ)大学院の院試が免除されて自動的に希望の研究室へ行けたり*4します.あとは大学でゆっくり勉強できるという所だと思います.
最大のデメリットはお金がかかるという所です.専攻科へ進学した場合は授業料だけで二年間,かつ年間234,600円ですが,大学の場合は同じく三年間で,毎年520,800円なので授業料だけで100万円以上違います.一年間長くかかることについては,人によって変わってくると思います.たとえば,修士で就職しようと考えているならばあまり遅くなりたくはないと思いますが,博士への進学を考えているならば一年間遅れても問題ないと思います.また,工学系では留年率が三割程度あったりと,一年遅れることについてはそこまで気にしなくても良いと思います.
大学編入して,学部で就職しようと考えている場合
あまり多くないと思いますが,大学へ編入後,学士で就職する場合を考えます.この場合はあまり研究目的,とは行きませんのでお勧めしにくいです.もちろん,専門ではなくて教養を得るために進学するならば良いと思いますが,大学卒として就職したいと考えているのでしたら,他の三年次編入の大学に入った方が良いと思います.
まとめ
大学院進学を前提に考えるならば,博士を考えていて「これを研究するためにこの研究室に入るんだ!」とか,「どうしてもこの大学で勉強/研究したい!」のような人は二年次編入でも編入した方が良いと思いますが,あまり研究室や大学にこだわっていない場合や修士/学士で就職を考えているならば他の三年次編入の大学や高専専攻科も選択肢に入れてみた方が良いかもしれません.
<独り言>
二年次編入になったことで,教養を学びたい人や,専門科目をきちんと勉強したい人にとっては良いかもしれませんが,あまりメリットはないと思います.いずれにしろ,個人が判断しなければ行けないことですが,既編入生としては,「三年次編入」という良いところを無くしてしまったのは惜しいことをしたなと思います*5.まあもともと絶対数が少ない編入生のことなので,大学側はあまり考えていないのかもしれませんが・・・.
5/15追記
大学の授業料が間違っていましたので修正しました(520,800→535,800).